15年以上も前のことである。
ある照明に関する講演会に参加したとき、そこで受けたカルチャーショックを
今も鮮明に覚えている。
世界的な第一人者として活躍する照明デザイナーの講演を拝聴、
いや体験したときのことである。
講演者のお名前は、今となっては思い出せない。
しかし、通訳を通しての理解ではあるが、講演者の情熱はひしひしと伝わった。
講演者いわく、光そのものは目に見えない。
光が物質に当たり、その物質特有の反射光を人は網膜で感知し、
物質それぞれを個別認識しているのだ。
照明を考える前に、対象としている物質のことをよく知ることだ。
それから、その物質をどのように照らし、どのように照らさないか、
まずは、物質の反射光のあり方を考えてみる。
照明の偉大なる教師は、太陽光である。
自然光に学び続け、一歩でも近付くことが肝要である‥‥
と言った主旨の内容であった。
仮に光りそのものが見えるなら、目の前は、霧の中どころか一寸先も判別できない。
夜空のサーチライトに浮かび上がるライティングラインも所詮は空中のホコリの反射。
蛍光ランプが見えるのも、光が透過する時のわずかなガラス面での反射。
光そのものは目に見えない。
この言葉が今も鮮明に蘇る。
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