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実用建築設備ヒント300
2006年9月1日

第1章 共通的な事柄
| 第1章目次 | 1-1 着手前(T) | 1-2 着手前(U) | 1-3 建築 | 1-4 電気 | 1-5 空調・衛生 |
1-2 着手前の事柄(U)
41 将来引き込み位置が変わることもある
電力、電話、水道など、地盤面下の外壁を貫通して引き込むものは多い。これらは劣化による 更新とか、将来リニューアル等で引き込み位置が変わることもあるので予備スリーブを検討する。 また現在の社会では実用化されていない新しい物が将来導入されることもあり得る。これらのこと も念頭において予備スリーブの位置、数を整理し設けておく。
42 「もの」を特定する
部屋に部屋名、会議室にNOがあるように、工事で設置する全ての機器や器具にも一基毎にb 付ける。同じ用途の自動交互運転のポンプが複数台有っても全てのポンプに個別のNOを付ける。 同一階に同じ仕様の弱電端子盤が東西南北にあればそれらも個別のNOを付けて「もの」を特定する。 工事中であれ竣工後であれ、機器類にはNOを付けて「もの」を特定しないと取り違えや行き違え が頻発し管理が煩雑になる。
43 フックひとつで段取りが変わる
エレベーター機械室の天井に吊り上げ用フックを埋め込んである。自家発室、熱源機械室など 重い物が設置される場所にも搬入用、将来の搬出用のフックを、適切な位置に構造担当者と相談 のうえ用意しておく。
44 竣工時には主要機器搬出入のマニュアルを別冊として引き渡す
施設の改修や更新時の機器搬出入ルートは、屋外に面した開口部や屋内各室の出入り口及び通 路などを利用する。特に屋上や地下に設備室がある場合は、ルートが確保できているかを設計時 点で十分チェックをしておく。それらが将来の搬出入ルートになるなら竣工までに正確なルート 及びルート確保の作業マニュアルを作成してそれらを施主に引き渡す。
45 更新計画は現実的か(重要)
建物全体の耐用年数を考えるとき、建物躯体と内部の設備機器では耐用年数に大きな差がある。 建物が耐用年数に到るまでには大規模な設備機器更新の時期がある。更新の際その建物は、通常通 り使用できることが求められるのが一般的である。更新時には床や壁を開口する計画としていて も、現実にその場所の床や壁を長期間開口したままにして通常の使用に支障はないか。 更新計画の作成に際しては、更新に伴う資機材の搬出入ルートの決定や、必要工期を見込むとき、 建物の現状の機能を損なわず、また利用者が受ける不便さも現実的に耐えうる不自由さの範囲内 に収まるよう十分検討する。
46 外壁に設ける開口部は雨を呼び込む
防雨型のガラリをつけていても、雨の強さや風の向きによっては雨は浸入する。程度の差は あっても「ガラリ付近は雨が入るもの」と初めから考えておく。出入り口扉も同様に考える。給 排気口ガラリのチャンバー内部は屋内へ向かって先上がり勾配を付けたり、チャンバー底部には 溜まった水の水抜き管などを設ける。 またガラリや扉の枠と躯体の間の止水については、構造上台風時にも雨が建屋内に浸入しない 納まりとなっていることを確認しておく。
47 不要なマンホールは造らない
電気設備、機械設備などの工種を問わずマンホールは施工費も高いが施工のタイミングも難し い。また景観上も少ない方が良い。背を合わすほどに近接している排水マンホールは「もうちょ っと大きく長くして一個で共用できないか」とか「管長全体を見て、もう少し緩やかな曲がり配 管とすればこの電気マンホールは不要となる」などと考えて一個でも減らす努力をする。
48 連動停止は設計者間で連携する
自火報の動作信号で、空調機や換気ファンが停止する設計となっていることの再確認をする。 自火報設備の設計者と空調設備の設計者がそれぞれ分かれている場合はとくに注意する。
49 設備盤扉の鍵は共用にする
動力盤、電灯盤、空調制御盤その他の専用盤など多くの盤が鍵付き扉である。これらの扉の鍵 の型式を承諾図段階で統一して共用型にしておくと、鍵の種類も少なくできるし日常の鍵の管理 も容易になる。 また鍵はハンドルロック型、キー差込ロック型などがある。ハンドル型は形も大きいしやや重 いが、扉の開閉も容易で紛失のおそれも少ない。それぞれの使い勝手に合わせて選択する。
50 ガス漏れ警報盤と火災警報盤は併設する
都市ガスやプロパンガスのガス漏れについては、一般的にはガスメーターに内臓しているガス 漏れ警報装置、又はガス消費場所に設けるガス漏れ警報器で対応している。 ガス漏れ警報器の発報やガス緊急遮断弁の起動や復旧など、機器類の作動状況を示す警報盤も 自動火災報知盤と併置して管理し、異常や正常を一見して双方を把握できる構成とする。
51 落下防止を施す
体育館やホールの天井など高所に器具を付ける場合は器具の落下に気をつける。 思いがけない時の落下や、長年の微振動によるネジの緩みから落下に到る危険性がある。落下 状況が生じても落下に到らないように高所器具にはステンレスワイヤーとか鎖で構造物と緊結 しておく。 体育館やホールの照明器具、スピーカー、空調吹き出し口やその他の機器機材に落下防止を 実施する。またネジで固定する場合はネジの締め切り後、雄ネジの山を潰すとか二重ナットで 締め切るなどしてネジの戻りを防ぐ。
52 いつのまにか、なんでも二台またはそれ以上となる
住宅内ではクーラー、TVは言うに及ばず洗濯機、冷蔵庫も二台使用しているケースが増えて いる。給排水を伴う機器も、住宅新築時は一台であっても複数台に増える可能性が十分ある。そ のときは、大きなリニュウアルをするまでもなく「今こうしておけば、増えたときはなんとかな る」という程度の手当てを新設のときに考えておく。
53 土中埋設物は相互に認識する(重要)
構内で掘削を伴う工事をやり始めると、既設の給水管や排水管のほかに電線管が出てくること もある。屋外工事の設計に際しては、既設の水道メータの位置や排水会所、電気のマンホールの 位置も調査のうえ示しておき、掘削に際してトラブルが少ない図面とする。 また電線管や、配水管の埋設工事が同時期に近接して進行する場合の設計は、相互に他方の工 事内容が認識できる設計図を用意しておく。
54 一部解体工事の系統図
建物の一部を解体する工事の設計では、電力や通信、水道や消火配管も建物の内外のどこかで 不要部を撤去するか切断することになる。これら設備系のものはどこで切断してもどこかの相手 に接続するかまたはそこにプラグを打って閉とするかのいずれかになる。 これらの内容も系統図上で表す。また解体する建物の側に、残存部分に必要な屋内消火栓など が有る場合、残存建物側に撤去する消火栓の代替を設けるケースもある。これらの消火栓の位置 も系統図にも示す。
55 中央監視のパソコン類はつながりを持たす
中央監視全体では受変電用、空調用、その他種々の用途のコンピューターが、それぞれのシス テム内に個別に装着されているこケースがある。それらの場合はデータを相互間で必要な分につ いてやり取りが可能となるようなシステムに設計する。中央監視の機能が大きくアップする。
56 子メーターは管理を助ける
所要の箇所に電力や水道の子メーターを設けることは、その用途や使用者 ごとに使用料金を徴収するために計量することのほか、多目的的にも大変有効な処置である。 水や電気の用途毎の使用量を明確に把握し、必要に応じて管理や運転上の、見直しのきっかけ とデータを提供してくれる。また水道の漏水の有無とその場所も示してくれる。特に広大な園内 の散水用に配管を敷設する場合は、系統分けして子メーターを付けることが管理上大切である。
57 水を使う施設には子メーターが必要
水を主体とする遊戯施設や観覧施設の水の管理は、安全や衛生面のほか施設の耐用年数の面か らも重要である。滅菌装置や防錆処置、防藻の処置、これらを適切に管理するには全体の保有水 量と補給水量を正確に把握する必要がある。そのために水を保有する施設毎に子メーターを設ける。
58 設備図の平面図にも建築図と同様の部屋名や番号を記入する
建築図には各階各部屋の名称が記入されている。設備図にも各階の部屋名や例えば「機械室 (3)」などのように特殊室も番号を付した室名を記入する。 そのことによって関係者間における各室の位置やイメージが特定されるので、設計内容の思い 違いを防ぐ可能性が増える。
59 フェンスがプロテクターになる
受変電キュービクルや受水槽ポンプ室など、建物にとって重要な設備類を屋外の車の通路近く に設けざるを得ないときは、その周囲をフェンスなどで囲って万一車が当たって来たときの被害 を軽度にとどめ、トラブルの拡大防止を図る。またフェンスを設けると日常の安全管理上も有用 である。
60 ガスも電気も使える
流し廻りの炊飯器やコンロなどの熱源の選択は、経済性や自分にあった使いやすさなど種々の 条件からガスまたは電気を選んでいる。日進月歩で器具の変化や自分の好みの変化もあり、いつ でも熱源の変更が可能なように当初から設計する。具体的にはガス配管とコック、電磁調理器用 の電源とコンセントのどちらでも容易に選べるようにしておく。後日の変更は極めて負担が大き くなる。
61 濃密な系統図を画く
系統図に求められるものは、系統図を見れば工事全体の規模や内容、機器の位置関係のほかに 全体のグレードも概ね理解でき、工事費の見当もつく図面であること。また工事開始後は業者間 の打ち合わせも、系統図が有れば主要なことは理解し合える情報が図面に表現されていることが 望ましい。
62 平面図と系統図を同時に見る
大縮尺で簡略化した基準階平面図を用意し、その図中にEPS、PS、DS等の位置を示し、それぞれ にb付けてシャフト位置図とする。そのシャフト位置図とb設備系統図の竪シャフト図に付す と、竪管やダクトなどがどの位置のどのシャフトにあるかが容易に分かり、ルートが把握が易しい。 また設備各階平面図の空きスペースに小さくシャフト位置図をプリントアウトしておくと使い勝 手の良い図面となる。また現実の竪シャフトが上下ストレートでない場合は系統図も折れ曲がった 階で折れ曲がった図とする。
63 いつの間にか放置自転車がある
広い構内にはいつの間にかあちこちに放置自転車が増えてくる。管理者はその保管場所と処 置について頭の片隅にインプットしておく。
64 雑 (マル得)
ノートをとるときはそのノートをBookにするつもりでノートをとる。ノートには必ずページ を付ける。最初の2〜3枚は目次用に使う。時間の経過と共に同じ目次に関する事柄を何度も新 しいページに記帳することになるが、目次欄には新たに記載したページbどんどん追加して書 けば、違ったページにノートをとっても同じ事柄のことなら「どこに書いてあるか」をすぐ見つ け出すことができる。またその際には記載した日時を必ず付ける。日時には「年」も付けておく。 後日「年」が重要になってくることがよくある。 その他現場へ出かけるときは、事務職の方であれ技術職の方であれ必ずカメラ、2m巻き程度の 巻尺、手帳を携帯する。そのほか「うちわ」もよく役立つ、予期せぬ小雨、屋外の強い陽射し、 本来の自分を扇いで涼を取る、などなど。


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