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実用建築設備ヒント300
2006年9月11日

第2章 設計的な事柄
| 第2章目次 | 2-1 建築 | 2-2 電力 |
2-1 建築的な事柄(建築と設備の接点)
101 車の出入り口幅は車幅だけでは決まらない
大型輸送車が直接建物内に乗り入れることがある大規模建物施設の車の出入り口は、入り口 前の道幅が狭いと入り口に対して直角に入ることはできず斜めからの進入になる。 出入り口の位置や大きさは当然車両の通過軌跡から決まる。しかし出入り口付近に突き出ている 袖壁などがあると、車が斜めからの進入するとき荷台が接触することがある。また路面と建物の 出入り口部の床高の差が大きいと車が傾いて建物と接触する。入り口付近の突起物や進入地盤面 の勾配の取り方には十分注意する。平面的な通過軌跡だけでなく立体的にもチェックする。
102 ホール内天井トラスにフックポイントを示す
輸送車がホール内に直接乗り入れることができるホールでは、重量物や大型展示物の揚げ 下げも可能とするため天井トラスにフックポイントを用意しておくことがある。その場合は 「5ton可」「10ton可」などと適用重量を確定し、後日利用者に分かるようにしておく。 図面上だけでなく現場のその位置にもペンキなどで明示する。 またフックを設けたりウインチ用の電源を用意しておくかどうかも検討する。
103 入場者のシルエットが講演者の目に入る
ホール、劇場などで内部を暗くして開演している際に、途中で入場者が出入り口を開けた とき、そこから光が差し込み場内の雰囲気がこわれることがある。前室を通って入場するとか 或いは出入口からは二箇所のカーテンを通って出入りするなどして遮光に気を付ける。
104 車は歩道も通る
当初構内歩道は人のみの通行と想定していても車が通れる道幅があると、いつの間にか車が通行する ようになることがある。ときには大きい自動車が通行することもある。当然路面の仕上げは損傷刷るし凸凹 が出てくる。道幅の広い歩道を造る際は構内全体や周辺も見合わせて舗装仕様を決める。
105 郵便受け、新聞受けも工事で設ける
郵便受けや新聞受け箱も設計に入れて工事に含めることができることを考える。その施設が 年間通じて24時間オープンか、暦どおりの休日かによって箱の位置を屋内にするか屋外に するかも変わってくる。またその大きさも年末年始の新聞や郵便物を受けなとる場合は大きくなる。
106 荷捌き場は揚重設備も用意する
荷物の出入り口である荷捌き場の天井には、出し入れ荷物に応じた電動ウインチ、及び電源を 用意する。ウインチを実装しない場合でも荷物の重さや吊り上げ移動ルートを想定した上で、レール は当初の工事で設けておく。
107 物置、倉庫は二階形式も可能となるよう設計しておく
階高が5メートル以上ある場合の物置は、当面一階形式で利用するとしても、将来的には二階形式 を採用することも可能となるよう考えておく。消防設備その他諸々の対応で余分の経費を要するが 上部の空きスペースは利用価値のあるスペースである。
108 建物内にあるイベントホールの出入り口
ホール内のイベントが大きくなると仮設電源盤をホールに持ち込む。電源供給盤の位置が離れ ているとそこから仮設電線を床転がしで配線することになる。途中に扉があると仮設電線が邪魔で 扉が閉まらないことがある。そのために配線ルート上の扉の下部には蝶番を設けて電線の太さ分を 折り畳める扉にしておく。そうすると電線を通しても扉を閉めることができる。 その他仮設ケーブルの転がしルート上に壁などがある場合は、開閉自在の開口部を壁に設ける。 電源供給盤の扉についても仮設ケーブルの結線後は扉が閉まるように製作する。
109 イベント会場の内壁には支持金物を
ホール内で多数のメーカーが同時に出店する場合のような小間割りイベントをする場合、イベ ント用間仕切りの固定、吊り物の支持、仮設電源線の振り回しなど無数の支持点が必要となる。 催し会場の内壁周囲で2.5メートル位の高さで、アンカーのしっかりしたパイプを一周巡らせてお くと大変役に立つ。
110 階高が高い場合のトイレのメンテ
大便器や小便器の修理のためには、下の階の天井裏から便器の裏面部分まで近づく必要が たまにある。しかし階高が高くてメンテのときに近づくのが大変な場合は、当初から天井 点検口の位置も考えながらタラップ、キャッツウオーク、歩み板受け金物などを設けて近づく方策を立てておく。
111 トイレブース内の手荷物置き台
女性トイレ及び男性トイレのブース内にも手荷物置き台を設ける。その位置は自分のバックに 自由に手が届く位置とする。
112 トイレ部分には用具の収納ブースが必要
トイレには箒、バケツ、棒摺り、ホース、ペーパー、洗剤などがゆったり収納できるブースを設ける。
113 浴室関係室は結露しやすい
利用者も多く開館時間も長くとってある浴場の浴槽室の天井面は多量の結露が発生しやすい。 その結露水はそのままにしておくのか天井に勾配を付けて片側に寄せるのかなど、結露水の扱い かたを決めて天井材を選択する。天井面の結露を少なくするために天井裏には断熱施工を施す。 また、脱衣室の天井面の結露についても注意する。特にクーラーの吹き出し口は夏期は吹き出し 冷気で結露しやすい。一般に入浴者の多い浴室を取り込んだ建物の天井裏は湿気が高くなりやす いので換気には気を付ける。
114 水廻り関係諸室担当者をきめる
大規模施設になるとトイレや流しコーナーなどの水関係諸室も多くその進捗が工事進捗を左右 することがある。トイレ、バス、流しなどには防水、石、タイル、ブロック、サッシ、鏡、ブース 等各種の作業が入り込む、そのうえ設備工事との取り合いも特に多い。そこで現場の建築担当者の 中から「水廻り関係諸室担当者」を決めて調整を進めると全体工事の進捗率も上がる。
115 屋根に上がる
屋根の形状によっては屋根に上がるのが難しくてルーフドレィンの掃除が大変なこともある。 比較的日常的なメンテは費用も僅かで、また容易に安全にメンテできることが管理上必要である。 意匠との兼ね合いの中から管理の問題点もクリア出来る設計を目指すことが重要である。 


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