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実用建築設備ヒント300
2006年9月1日

第2章 設計的な事柄
| 第2章目次 | 2-1 建築 | 2-2 電力 |
2-2 電力設備的な事柄
121 色調や形状は統一するのか
敷地内には外灯、屋外スピーカー、駐車場管理用ITV等種々のポールがある。ポールの色調、形状、材質など統一するかどうかは事前に検討して設計する。
122 自家発エンジンの煙道は誰が作るのか
自家発エンジンの給排気関係の工事区分は設計上明確となっているか?建築工事で施工する躯体煙道と自家発エンジンの間には中間煙道がある。 その煙道が電気工事に属するのか換気工事に属するのかを明示する必要がある。 その他「これは自家発工事なのか自動制御工事なのか」と言った取り合い要素が自家発電設備には大変多いので丁寧な整理が重要である。
123 自家発電源も想定外負荷の出現を想定しておく
自家発電源は負荷を特定し、また想定して建物内を配線するが重要度の高い建物や、重要電気機器を多く持ち込む施設の場合は、思いがけない場所にも自家発電源が必要になることがある。 そのために、各階の主盤とか各階の EPS まで自家発盤から空配管を用意しておく。
124 シャッターは途中で止めない
人や車の出入り口シャッターが電動式の場合は、その電源は自家発回路としておく。商用電源だと、昇降している際に停電になると途中で止まることになる。
125 障害者対応設備の電源回路は自家発電源回路とする
障害者対応設備のうちトイレの場合、照明や出入り口扉の電源、呼び出し装置などいろいろな対応設備がある。 これらの電源は自家発回路としておく。障害者対応エレベータも同様とする。 停電時にも利用者に不安を与えることのない設備内容を設計をする。
126 停電の時は全てのエレベータを止めるのか
停電時に自家発電源で稼動させる予定の機器や負荷類は洩れることなく自家発電源としているかチェックする。 例えば設計時点では「エレベータも 一台だけは自家発で運転出来るようにしておく」という方針だったか、など十分念を入れて計画を見落とすことの無いよう見直す。
127 「発電回路だ!」と見てすぐわかるか
分電盤の電源が、停電時には自家発から供給を受けている場合の盤の名称板は、白地材料に赤字とか赤字材料に白字などとし、商用電源の場合の白地材料に黒字などの一般的な名称板と区別する。 また、発電回路のコンセントプレートの色も一般回路と異なる色を使った方が管理上も使い勝手も有用である。 そのほか防災動力盤など最重要負荷の名称板は、黒地材料に赤字としたり、分電盤箱の塗装色を変えるなどして他と明確な区別をする。
128 自家発電が停電した
貯油量は連続運転時間の計画を十分上回る量となっているか確認する。燃料が無くなるとエンジン が停止するのは当然である。
129 自家発は油量が十分有っても長時間発電はできない
自家発を3日間とか一週間連続して長時間運転をする計画なら、エンジンや発電機の仕様も長時間運転の使用に耐える型を選択する。
130 煙道、煙突は伸縮する
煙道、煙突の耐食性は十分か、また雨の浸入や避雷上も考慮しているか、熱による伸縮量が問題になることはないか。これらは煙道や煙突の設計留意事項である。
131 自家発も商用電源の設備とバランスをとる
自家発電設備の絶縁階級等グレードは商用電源の受変電設備と併せて検討しているか?電気設備全体としてグレードを統一する。
132 自家発電はいつ停止させるのか
大容量の自家発電設備を設置している建物の場合、商用電源復電時の発電機停止マニュアルはメーカーソフトのままでよいかどうかをチェックする。 負荷の重要度や発電機の起動可能回数、商用電源の主たる停電原因も想定しながら復電時の発電機停止時間を決める。
133 会議室や当直室の近くには騒音源を置かない
無停電電源装置を個別に設ける場合や、特定の負荷のために専用のトランス類などを設置する場合は、それらは運転騒音を発するので会議室や当直室の近くには据付ない。
134 無停電電源装置のメンテナンスのために
無停電電源装置のメンテナンスのために直送回路を設ける場合は、開閉器もそれぞれに用意する。無停電電源装置と直送回路の開閉器が共用となっているとメンテナンスが複雑になる。
135 無停電電源装置の容量を有効に使う
無停電電源装置の容量が十分取り出せる周辺設計となっているか?各種周辺機器の効率が悪いと無停電電源装置を有効に活用すことにはならない。
136 腐食しない埋設高圧管路材
電力引き込み用高圧線とか構内の変電室間の高圧線など、高圧線の埋設管路材は、電力会社が地中線用ケーブル保護管として使用している耐衝撃性硬質塩化ビニール管を使うと腐食の心配もなく強度的にも通常は不安がない。 また重要通信ケーブルの埋設にもこの管材の利用を考える。
137 盤内に電力量計を設ける
一棟の建物のなかには賃貸する部屋が含まれている場合や、特殊な機器を利用する部屋が含まれている場合もある。 これらの用途の部屋の分電盤には電力量を計量する電力量計を装備しておくと管理がしやすい。 また将来計量する可能性がある場合には盤内にメーター取り付け用スペースを設計時点で確保しておく。 なお計量する回路には最大需要電流計を用意しておくと契約電力の分担の算定に役立つ。
138 大きめの受変電設備がいい
受変電設備の設計は将来の負荷増を見込んでトランス容量を決める。しかしそれ以上に負荷が増大することがある。 そのためには将来2ランクアップ程度のトランスに変更することも可能なように設置スペースや、トランス固定方法、高圧充電部、及び予備低圧開閉器数、同スペースなど、を経済性を睨みながら設計に盛り込む。 この考え方は省スペースの予備電気室を作ったと考えると効果的な投資となる。 なお実装部分は盤面下部からとし予備開閉器、予備スペースの位置は上部に来るよう配して、後日予備部分を使用する際施工がスムースに捗るようにしておく。
139 将来負荷増の対策はスペースの確保から
電気室に配電盤を設ける場合、将来の負荷増対策として増設用の配電盤スペースを想定しておく。 このことは電気室の広さを決定する際の重要項目の一つである。
140 電球の取り替えは容易にできるか
竣工後照明器具の球替えは簡単にできるか?階段踊り場や吹き抜けの天井面(一面になっていても吹き抜けになっている部分とそうでない部分が生じることもある。)に付いた器具の場合、足場を組むとか或いは工事業者に頼まないと球替えが出来ないような場合がある。 そのような場所では先ず天井付けの器具は避けて壁付け器具を考えてみる。引渡し後始まる維持管理作業の即応性や容易さも設計に反映させる。 照明器具によらず、火報でもスピーカーでもとにかく高所に付く物については点検、取り替えのことを必ず考えておく。
141 厨房、浴室の照明器具
厨房や浴室関係室など防湿器具を設計するときは、そこに設ける避難口誘導灯も同じく防湿器具とする。
142 厨房や食品庫の電灯
厨房、食品庫などには滅菌灯を用意する。点灯時間や取り付け位置については滅菌効果が上がるよう考慮する。また通常の倉庫でも滅菌灯を用意していて役立つケースがある。
143 屋外の電灯は雨線内であっても基本的には防雨型器具を使う
玄関庇、ピロティなど風通しの良い場所は、暴風雨や台風のときには雨が巻き上がるので雨線内であっても防雨型器具を使う方が安心感がある。
144 露出仕様か隠蔽仕様かを明示する
機械室、電気室、倉庫などの配管やプルボックスは、露出仕様で施工するのか隠蔽仕様で施工するかによって塗装の扱いも異なり、積算上も大きな差がでる。 積算時にその区別を間違うことのないよう十分注意するが、図面上も特記等でその区別を明記して施工に際して間違うことのないようにしておく。
145 盤の扉の形状はその場に応じたものとする
動力盤、電灯盤は機械室や各設備シャフトに設けるが、やむを得ず一般職員や外来者が往来する廊下や待合コーナーに設置することがある。 その場合の盤は露出形にしておくと人の頭や肩に当たりやすいので隠蔽形とする。 また扉には操作ボタンが直接表面に出ない形状とする。ふと誤って第三者がボタンを押してトラブルとなることのない構造としておく。
146 端子盤の扉は常に必要か
分電盤、端子盤の扉の形状を明記しているか?シャフト内など狭い場所では「開き」の扉は何かに当たって十分開かないことも合るしメンテ上も扉があるとかえって不都合な場合もある。 扉の有無や形状は積算にも影響するので設計時点で決めておく。
147 明るい夜道をつくる
戸締まりを終えた最終退出者が、建物出口に到達するまでの廊下は明るいか?学校の場合、事務方、先生方の退出が遅くなることがよくある。 事務室、職員室から退出用出口までの照明については単独のスイッチで点灯、消灯が簡単にできるようにする。 出口では施錠の後消灯できるスイッチを用意する。さらに出口から職員駐車場までの道の明るさは、外灯の配置や点灯時間の設計のなかで考慮する。
148 屋上は赤道直下のような場所
屋上は風雨や直射日光に曝されるので極めて厳しい環境である。そういう観点から露出配管は厚鋼管を使用し配線は耐熱電線を利用するなどして耐候性を上げる工夫をする。
149 光源は思わぬところに影絵をつくる
ルーバー天井の上に直管型蛍光灯を設置すると、灯具の配置を連想させる形でルーバーの影が床に映ることがある。天井と器具の配置関係に注意する。特に白色系の床の場合は気をつける。
150 電気と一緒に水も引き込む
電力線や電話線を地中で引き込むと大なり小なり管路を通じて外から水が入ってくる。 建物内に引き込んだ第一番目のBOXは内部に十分な錆止めや漏水防止を施し、BOX内に入ってきた水の水抜きができる孔とドレン管を用意し湧水槽に放流する。土混じりの水もあるのでドレン管は太くしておく。
151 一般コンセント図とは別に機器コンセント図も設計する
機器が多い機器室は、一般コンセント図とは別に機器用コンセント図を画き、設置機器名、据付位置、kW、極数などを設計図の中に別図で示す。
152 特注品に予備はいるか
グレードの高い建物になると、建物の内外を問わず特注照明器具の使用場所も多くなる。 しかし特注器具はコストも高く同一品の急な調達も難しいので当初から「特注品は少なく」と考える。 やむを得ず特注品とする場所は「予備品を用意しておく」か、あるいは「万一の場合は汎用品で対応する」などの処置についても考えておく。
153 インテリア設計を済ませて見積もりをとる
シャンデリア、高級家具などの特注品は、設計段階でインテリア設計者の設計も済ませ、メーカー見積もりも取り工事全体の積算をする。 発注図の中に工事価格を大きく左右させるような未確定事項を残さないようにする。
154 最終出口は朝一番の入り口である
設計時点で最終退出者の出口を決めておく。この出口は朝一番の入場者の入り口となる。 機械警備装置の設定や解除のこともこの出入り口と併せて考えておく。新聞、休日の郵便受けもこの近くに用意する。
155 外灯の高さ
構内の外灯高さは構内の植栽計画の植え木の位置や高さも考慮して決める。枝の中に灯具が隠れてしまうのは効率が悪い。 しかし背丈の高い道路照明灯を使用するのは、もともと用途の 異なる選択となるうえ灯具の高さからも球替えが大変となる。構内外灯に道路用照明灯を使用場合はメーカーの意見も参考にする。
156 地下階動力盤のELB
地下最下階機械室の電気系土間配管は、水気の有る場所の配管となることが多く、その回路はELBが必要となるケースがある。 しかし動力盤の場合にはむやみにELBは使いたくない。そこで水気の有る場所の配管を避けるために、機械室内の機器や機械系配管類の支持架台などを利用しながら配管し、極力土間より上部の露出配管を心がける。 また鋼管で土間配管をした場合は、鋼管内で線の錆び付きなども起こりやすく、後日の入線替えが難しい面からも露出配管が有利なことが多い。
157 系統図を見れば各階平面図が想定できる(重要)
系統図には中枢機器から末端機器までの間の電線管、電線、プルボックス、ラックなどの材質やサイズ、本数などを示す。また端子盤、分電盤、動力盤などの呼称番号と設置場所名も示す。 そのほか自火報設備の系統図には各室の室名のほか室毎の警報器の種類や数も書き込む。その他の電気設備の系統図も同様に表現する。
158 貫通処理位置も系統図に示しておく
防火区画の貫通処理の位置も系統図に表現しておくとその場所や個数も分かりやすく都合がよい。 特記仕様で定めた処理方法のシンボルマークもそこへ付記する。
159 照明器具の電圧
建物の規模や照明器具の種類、またビルメンテナンスのことも考慮して照明器具の電圧を決める。電圧を上げると接地線も必要となるが電線サイズが細くなる有利性もある。 蛍光灯は灯具の種類を少なくして全て200vとした場合の低減額を検討してみる。200vを採用した場合は、100V、200Vの使い分けを全体に周知する。
160 冷温水機の結晶防止回路
冷温水機の結晶防止回路電源は自家発電源回路とする。停電時に本体が停止しても結晶防止回路は機能しておくようにしておく。 この対策がとれていないと商用回路が復電しても抽気部分が結晶していて運転には入れないことがある。
161 予備管路
管路を土中に敷設する際には必ず予備管路を入れておく。サイズ、本数はケース毎に異なるが電気室に近づくほどサイズは太くし本数も増やす。 特に電気室と負荷側の第一マンホールの予備管は太く多く入れておく。 屋内の場合はプルボックスとプルボックスの間、プルボックスと電気室間も同様に考えて予備配管を設ける。
162 多目的電源
日常は特に不自由はないのだが、何か催しを計画したときに初めて「あっ、ここに電源が欲しい」ということがある。 玄関前広場、体育館ステージ、中庭、駐車場など広くて人が集まりやすい場所は多目的電源の要否をチェックする。 その容量はその場所の広さに見合う音楽祭(特殊照明も含む)が催すことが出来る程度を目安とする。 また多目的電源の要否について「いまは設置しないが将来必要となったときはこうすればできる」ということも考えておく。
163 雑電源
建物の内外を問わず「ウォタークーラーを置きたい、自動販売機を置きたい」という要望が後日でることがある。 建物の内外を問わず人の集まりやすい場所とか通路の一角など、設計段階でそれらの要望を想定して可能な範囲で後日の融通性を考慮しておく。
164 健康診断車電源
健診車による健康診断の実施場所は設計段階で決めておく。車の進入路、駐車場所、受検者の待機場所、それらと共に健診車電源も用意しておく。電源の種類、容量は管理者に確認しておく。
165 メンテナンス用照明
電気室、機械室などは照明がないとメンテはできない。配管シャフト、ダクトシャフト、EPSも同様にメンテ用照明を用意する。 メンテ用工具の電源コンセントも用意しておく。ささいなことだが「有る」と「無い」では後日のメンテが大きく変わってくる。
166 ライトコントロール
建物を使い始めてから「あっ、この部屋は照度調節ができればよかったのになぁ」と後から気が付くことがある。 ライトコントロールを設けると経費も必要となるが効用も大である。 設計時点で部屋の用途が会議室、研修室などの場合は、面積の大小に関わらずライトコントロールの要否をチェックする。
167 休日は点灯しておくのか消灯するのか
庭園灯も含め外灯の点灯時間については、どの位置の器具を常夜灯にするか、どの位置を深夜までの点灯にするかを検討する。 また建物周囲の地目や道路灯の状況、他建物との位置関係も考慮する。そのほか休日の点灯計画をどうするかも検討する。
168 トランスだけの取替えでいいのか
負荷の増大でキュービクル内のトランスを取り替える場合は、キュービクルに装備されている一連のアンメーターやCTについても、容量的に取り替える必要が生じてないかどうかをチェックする。
169 公道に向けて管路を入れておく(重要)
電力、電話の引き込みルートには予備管を入れておくが、このほかに公道から建物の第二出入り口とかその他の出入り口まで続いている構内道路には、公道に面した門扉付近から構内道路に沿って建物近くのマンホールまで管路を敷設した構内管路の設計としておく。 後日その管路に思いも掛けていなくて、『無くてはならない重要な用途』が発生することが多々ある。 このことは、建設用地が何本もの公道に接している広い敷地に、大規模施設を建設する場合に重要な先行投資となる。 なお公道部の門扉付近の管端は、プラグ付き突き出し管を擁したマンホールで仕舞うことが理想的である。
170 予備配管と不特定用途配管を設計する(重要)
予備配管はおよそその用途を想定して用意するのであるが、「将来何に使うか分からないがこの際設置しておこう」と考えて用意するのが不特定用途配管である。その場合は全館全室に張り巡らす。 サイズについては種々の考え方があるが費用的に可能な範囲で実施する。 この件は設計当時無かった新システムが竣工後導入される場合などに役立つ。現実に竣工後間もなく施設内ランが導入されたがスムースに立ち上がった事例あり。
171 照明制御を利用する
照明の点灯計画は適切か?「何時、誰が使う照明か、誰がスイッチを入り切りするのか」を整理する。 照明制御を利用する場合は昼間の省エネ間引き点灯、夜間の残置灯、大型建物などの深夜警備見回り時の点灯、休日の掃除時に使う照明用、見学者が多い施設には来客案内コース用、賃貸等他者利用がある場合はその貸し区画等々。 これらのことを廊下、階段、トイレなどの動線と組み合わせて計画する。またパターン制御をすることでかえって不都合となることが無いよう注意する。
172 照明制御は意匠にも生かす
廊下、ホールなど執務室以外の共用部分の照明スイッチは管理室に設け、各所の壁面をスッキりさせる。施設全体として点灯確認、消し忘れ防止を含めた照明制御を考える。
173 展示施設の舞台裏は真っ暗!(重要)
建物内に展示施設を設置する場合、展示エリアにおいては建物本体の建物工事と展示工事に分れる。 この場合の電気工事を例にとると建物側の電気工事は一般的に展示施設のための電源供給までを受け持つ、それ以降の電気工事は展示工事が施工する。 出来上がった展示エリアでは、展示施設が休止中は地明かりも無い真っ暗となることがある。 このようなことがないよう展示物用照明とは別に展示エリアおよびそのバックヤードにおいては、地明かりのほかメンテや掃除用の照明、コンセントなどを用意する。
174 OA機器室の漏電対策
各種のOA機器など、停電せずに常に電源を確保することが重要な負荷の回路の漏電対策は、漏電遮断器で回路を保護するか漏電警報器付き遮断器で保護するかの選択は慎重に行う必要がある。
175 各盤の点検はランプチェックから始める
受変電の配電盤や現場の動力盤にはON、OFF、遠隔、手元、試験など盤表面には運転状況を示すランプがある。 機器点検のために盤の近くへ行ったときには、それらの表示ランプの球切れが有ると機器チェックができないので球切れチェックが必要である。 そのためには各ランプを一斉に点灯するためのランプチェックボタンを盤の表面に用意しておく。
176 大部屋のスイッチは分散する
将来、部屋の用途や面積割りは間仕切りを利用し自由に変えられるようにと大部屋方式とし、出入り口も数ヶ所設ける設計の場合は、たとえ当面は一部屋として利用する場合であっても照明、音響、空調などのスイッチは大部屋全体でスイッチを一ヶ所にまとめることはせず、将来の部屋割りに対応できるよう各出入り口毎のスパンでまとめて出入り口付近に設けておく。
177 水銀灯の安定器は別に置く
水銀灯を屋内に設ける場合は、安定器もメンテナンスを考慮して容易に近づける位置にまとめて置くが、安定器は発熱のほか唸り音を伴うので、講演などをするホールの場合は演壇の近くへ置くことは避ける。
178 露出盤は床上2m以上に取り付ける
廊下、部屋内などに露出型の分電盤や電話端子盤などを設置する場合は、出入り口扉の開口部より上であって盤の下端をFL+2m以上くらいを目安とする。 下端を2m以上の位置に取り付けると盤類の下方の壁面に各種キャビネットも納まり易く、机などのレイアウトも楽になる。 また埋込型の盤であっても低い位置に設けると、その盤の前に物がきて扉が開かないことがある。 廊下などの場合は廊下幅の確保、人の通行の安全面からも留意する。
179 廊下の照明区分
学校の場合には屋内廊下の延長線上に、隣棟まで屋根付き廊下が延びていることがよくある。 屋内外ともに廊下に照明器具を設ける場合のスイッチは、「うち」と「そと」で分けておく。 設計時点で何気なく建築平面に器具を配置していくと、屋内外の照明器具を同一回路にしてしまって切り分けができなくなる。実際の利用状況は屋外廊下の照明は消灯することが多いので分けておく。
180 電灯・動力共用盤
まれに電灯コンセント回路と動力制御回路を同一盤内に納めるケースがある。 通常、電灯盤の扉には操作ボタン類は付かないが、制御盤の場合は各機器の操作ボタンが扉前面に付くことが多い。 電灯盤の要領で扉を作ってしまうと制御盤の操作ボタンが扉の中に入ってしまって扉を開けないと操作ができないことになる。電灯盤と動力盤はそれぞれ別々に製作するのが望ましい。
181 電話受け口とコンセントは一対で設計する
住宅の電話は親機、子機のコードレス型(電源必要)が普及しているし、パソコンはインターネット(電話必要)に接続している。 これらはいずれも電話系であるが電源が要る。電話受け口とコンセントは一対で設計する。
182 行き着いた場所が暗い場所なら行き着く前に点灯する
タラップを登って人通口の蓋を押し上げて入る場合の小屋裏の照明スイッチは、小屋裏の下の階に設けて小屋裏へ上がる前に照明を点灯できるようにしておく。 小屋裏にスイッチがあると、上がるときも下るときも暗がりの状態となり足元が不用心である。
183 大会場は真っ暗にさせない
体育館、ホールなど広くて天井の高い場所の照明器具には水銀灯などが使われることが多い。 しかし雷などの影響で瞬時的に停電した場合、水銀灯は再び明るくなるまでにしばらく時間がかかる。 それまでの間、場内は暗くて入場者にとっては落ち着かない時間である。そこで停電時でも場内に居る人に不安を与えない程度の明るさを確保するために、白熱灯や蛍光灯を適宜に設けて瞬時停電に対応する。
184 上の上にも照明が要る、コンセントも要る
人が居る場所、作業している場所には必ず照明が要る。たまにしか作業をしない場所も同様である。 ステージの上の葡萄棚も催し物があるときには企画にあわせて照明などの吊り物の作業をする。 そのときの葡萄棚の明るさのために葡萄棚の上部に照明を設けておく。そのほか小屋裏やキャットウォークがある場所にも照明は必要である。 照度については作業に必要な十分な明るさを用意する。なおそれらの場所には適宜な位置に作業用コンセントも用意しておく。
185 体育館には催し物用電源を用意する
体育館ではステージやアリーナでいろいろな催しが開かれることがある。 ステージでは珍しい照明器具を持ち込んだり、アリーナではときには大容量電源が必要な音響機器を使ったりすることがある。そのために体育館には催し物用電源盤または電源取り出し箱を要所に設けておく。
以下編者ホームページ参照


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